小さな子の手が私の心の琴線を撫でる時
集金に行った先で、そのお宅の小さい子が一緒に出てくる時がある。
3歳になるかならないかぐらいの子が、お母さんやお父さんのアトについて出てくる。
玄関先から道路までの短い距離を、お札を持ってハニカミながら駆けてくる。
お釣りを渡す私の手が、その小さな手にほんの1ミリほど触れた場所から流れ込む何かが、私の中を瞬時に駆け巡っていっぱいに満たす。
それによって私は、自分の中に持つ空洞に気付く。
500円玉を握りしめることが出来ないその手に、
「小さい手やな~!」と、思わず言う。何故か泣きそうになる不思議。
小さな子の手というのは、どうしてあんなに幸福が満タンに詰まっているのか。
子猫や子犬やハムスターにもキュン♡とはさせられるが、人間の小さな子に触れた時の「泣きそうなぐらい幸福」という気持ちが与えられることは無い。
この世の美しいものと醜いものが同時に一気に迫ってくる感じに、私が持つ全ての拘りが消える感覚。
そんな一瞬を与えてくれる、他所の子の小さな手。
その存在に、感謝。