アメリカという国に興味がある人にオススメの本
いつの間にか紅葉がだいぶ進んでおりました。
秋が深まる頃、私は文字を書き始めたら自然と瞼が閉じてまうという病気(嘘)いや魔法(?)に必ずかかるのです。
読むぶんには大丈夫なんですが。毎年、秋になるとすんごい眠くて「食べるより寝る」というカンジになってしまい、自然と5~6㎏落ちるのです。
なんつって、そんなんは若いころの話。
今は「寝て食べる」ので体重は落ちません。グウタラなだけやないかーい。
オススメ書籍紹介
きっかけ
ホステスのバイトをしていた時、お客様とアフターで行ったカラオケバーに「アメリカに行くためのお金を貯めてる」という若いバーテンがいたり、前に勤めていた会社に新入社員で入って来た男の子が「アメリカに行く」と言って半年で辞めたり、ご近所の60過ぎのオバちゃんが「若い時、アメリカに行きたくてお金を貯めるのにスナックでアルバイトしてた時があってん」というのを聞いたり。ちなみにこのオバちゃんはそのスナックで知り合った男性と結婚して5人の子の母となりアメリカには行かず。
そんな風に、他人のアメリカへの憧れを目にするたび私は「アメリカのどこがエエのんか」と不思議でした。NYには行ってみたいケド。
不思議だといったん思ってしまうと、自分なりに納得いく答えを探したくなるのです。
そんな折に、新聞の書籍紹介コーナーに載ってたのがこの本です。
「アメリカとは何なのか」
本のオビに書いてあるこの言葉がまさしく私の心にHITしたのがきっかけです。
私のざっくりとしたアメリカ観
歴史が浅い。基軸通貨国。NY株式市場。移民国家。世界の警察。(今はそんなコトもないか)日本に核爆弾を2コも落とした戦勝国。そしてアメリカ本土のお土産でもらう菓子類はマズい!!私はアメリカ本土に行った事がありません。
未だ白人至上主義が根強くあるうえ、国民皆保険も整備されないような国。どのへんが「自由の国」なのかさっぱりわからない。
ただ、多様な主義主観をお互いに尊重しつつ「自分の意見はこうだ」というのを「どんな場でも」主張できる風土があるのはマジでスバラシイ。
世間には「とりあえずアメリカに行って何かしたい」とか「アメリカに憧れる」という若者が一定数いるようですが、アメリカのどこにそんなに魅かれるのかという具体的な答えは当人達から聞けないのもフシギ。
この本の見どころ
本のタイトルに「異形」という文字があるためにまるでアメリカという国をディスりまくってるかのようなイメージがありますが、本の中身は全くそんな事はありません。
序の部分にこの様に書かれています。引用↓
ここで試みるのは、アメリカ合州国の成立事情やその政治や社会の考察というのではなく、〈アメリカ〉と呼ばれるものを作り出し支えている規範性の特徴を、とりわけ創設の原理とされた〈自由〉の観念に着目しながら考察し、今日の世界のあり方や人びとの考えに刻み込まれ浸透する〈アメリカ〉なるものの意味を明るみに出すことである。それはたんに合州国という国のあり方というより、今日、世界のすみずみにその規範的効果を深く及ぼし、世界を作り変えている〈自由〉の観念とその作用とをよりよく理解するための作業でもある。
※日本で通常「アメリカ合衆国」と表記されるのを、この作者は「アメリカ合州国」と書いていますが、その理由は読めばわかります。
第一章の始まりは、「アメリカ」という名が持つ意味と、その名が名付けられたいきさつ(歴史)について読み手が「アメリカ」という国を3Dで観るような気持ちになるような書かれ方になっていて「ほ~フムフム。ほ~フムフム」とスルスルとこの本の世界に引き込まれる。
内容も文章もとても面白いのです。
自分が求める本に出会えるのはホント😆ラッキーです❢❢
「アメリカ」という名で呼ばれるようになった時代まで遡って以降、現代までの「アメリカ」のイメージにある「自由」をあらゆる角度から考察し書かれている本です。
私にとってこの本は、一家に一冊、本棚にあるべき本です。
著者は西谷修(にしたにおさむ)。価格は1700円(税別)です。
「アメリカとは何なのか」自分の中にそんな「問い」を持つ人には、読んで絶対に損はない良書であると思います。(*'ω'*)