リップスティック
昨日、好きな過去のテレビを振り返っていて思い出した。
何回でも繰り返し観たいドラマがひとつ。野島伸司脚本の「リップスティック」。
ファンが各自で、このドラマのその後のストーリーを自作してネットにあげていたし、視聴率も良かったと思うのに、DVD化されていないのは残念。
挿入歌がレベッカの「virginity」で、
♪真っ白な君のドレス 赤いワインこぼしたのは誰♪ っていう歌い出しのフレーズがぴったりくる。
主演の広末涼子と、三上博史が演じる「無垢さ」が皮膚を持たない剥き出しの人間のようでヒリヒリ痛く、さらにメインキャスト達もみんなイノセントで、菌もウイルスも生存できないような、清廉で透明で、やけどしそうに冷たい空気感が漂っている。
20代の頃は、この先どんなに年を取っても、心に純粋さを持っているのだと決めていたけど、実際それは自分をとても脆くしてしまうだけで、徐々に遠ざけていった。
でも年齢を重ねるにつれ、 まるで青魚みたいに傷みやすいそれの扱い方がだんだんとわかってきた。
若い時には、あんなに辛かった色んな事が、歳がいくにつれそういう自分をうまく「あしらう」事ができるようになった。
自分が持っていられるものってホントに少ないんだなと近頃感じはじめたから、今後は色んな事を取捨選択していきたい。
「無垢な心」を、いまの私なら自分の中でもっともっと強く、価値の高いものに成長させていける。のではないかな。