一人旅に持っていくのに最適な本
清々しい朝一番の空気を、思いっ切り吸い込んだような気分になれる本
朝の少女 著者 マイケル・ドリス
きっかけ
20年ぐらい前に、近所の古本屋の文庫本100均コーナーでタイトルに魅かれて買った。
感想
良書です。
冒頭文を引用↓
あたしの家族はみな、あたしのことを朝の少女(モーニングガール)という名で呼んでいる。それは、あたしがいつも朝早く、いろんなことで頭をいっぱいにして目をさますから。
読んでいると、清々しい新鮮な空気を目で呼吸しているかのよう。
素敵な教訓がたくさんちりばめられているんやけど、これを読んでる自分自身がこの少女と同じような濁りのないまっすぐな心になって、その教訓を受け止めているような感じになる。
朝の少女にお父さんが言うセリフ。↓ 引用
どんなものでも、おまえからかくれたり、おまえが通りすぎるのをじっと待っていたりはしない。だからこの世の何に対しても、おまえは礼儀正しくふるまわなくてはならないのだよ。
それと、もうひとつ。もし朝が、おまえより先に走り出してしまったら、おまえはもうとても追いつけない。とっくに、し終えてしまっているはずの仕事に時間をとられて、いつのまにか一日が終わってしまうんだ。どんなに急いだところで、引き分けに終わらせることさえできない。早起きをしなかった者の負けなんだよ。
こんな会話が日常的にされる親子関係って、スゴイなー❢
まとめ
130Pで完結する物語やから、一人旅に持っていくにはその内容もボリュームも最適な本だと私は思う。
アラフィフになった今、読み返すとあまりに美しいキラメキに😭泣ける。
自分がこの身で経験していないのに、何故かその感覚を知っていると感じられる。
誰だったか忘れたけど、ある小説家が「本を読むということは、自分もその人生を経験したのと同じなんだ」と言ってたけど、そんな醍醐味を私はこの本で味わえる。
ほんで、いままで読んだ本のなかで一番その結末に衝撃を受けた本である。
ストーリーや文章の特徴が、他にない感じ。
私にはこの名著が、本屋で平積みされないのはホントに残念なぐらいやけど、他の人が読んだらどう感じるのかなー?
おわり。